櫂の後ろ姿を見つめる私を、爽が抱きしめる。 ポケットから青のネクタイを出した。 「……美羽が返してくれた」 「…………うん」 「また、一緒にいてくれんの?」 「…………うん」 「……また、傷つけるかも」 「………爽が私のこと傷つけたことなんてないよ。お父さんのことだって、美羽さんのことだって、爽のせいだけじゃないもん」 爽の顔をつかまえて、キスをする。 驚く爽に、言ってやった。 「それに……私は爽が大好きだから!」