「だって…私こんなこと来たくなかったから、学園説明書なんか見なかったんだもん」 入学前に送られてきた学園の説明をのせた分厚い資料。 覗きもしなかった。 「ふーん…じゃあ仕方ねえな。俺が直々にすべて詳細に説明してやるよ」 ここにきて初めて、こいつに感謝を覚えた。 「ありが……」 「貸しひとつな」 ………あんた、私の執事じゃないのか。