私を無事に座らせると、自分も向かいのソファーに座って脚を組む。

その脚の長さに、殺意さえ覚えます。



だが、どうやらやっと真面目に話してくれるようだ。


「この学園のこと、どんくらい知ってんの?」

「どんくらいって……」


返答に困る質問だな。


「…全寮制だってことは?」

「知ってる」

じゃなきゃこの部屋に来てません。


「普通科と、執事科があるってことは?」

「……知らない」

執事科?

それがあるから、私はこんなことになってるのか?



「え、そこから知らねーの?」



早坂爽は、びっくりしたように私を見る。