俺を抱きしめる美羽を支えながらも、頭のなかは愛のことだけだった。 『……爽が……すき…』 嬉しかった。 泣くほど俺のこと好きなのか、と思うと、体が勝手に動いて。 ぺろっと告白なんてして。 そのあげく、キスまでしてしまった。 バカか、ほんとに。 傷つけることしかできない馬鹿。 中途半端に期待させて、裏切って、傷つける。 (……笑える) どうしようもない自分に、笑いすらこみ上げてきた。