「…………どこにも行っちゃやだよ」 そう言うと、爽は微笑んであたしの頭を撫でる。 「……俺は、美羽のものだから」 その言葉が、自分自身にも言い聞かせてるようで、胸が痛んだ。 爽、ごめんね。 嫌な女だよね、あたし。 愛ちゃんにも謝りたかったな。 それに、ほんとうのこと知ったら、爽も愛ちゃんも怒るよね。 口に出しては言えないけど、ふたりとも、ごめん。 ほんとうに、ごめんね。