――早坂とその主人は、アメリカに行くらしい―― そんな噂が流れ始めた。 もちろん、私は気になってしょうがない。 「い…愛ッ!!」 「はいっ!!?」 目の前で手をたたかれて、皐月が私を呼んでいたことに気づいた。 あわてて笑う。 「な…なに?」 「もう!!最近どーしたのよー。ボーっとしちゃってさ!!」 「…ご…ごめんなさい……」 すると、皐月は二カッと笑って私に言う。 「……爽サマのことデスカー?」