一方。
「爽、今度の休み遊びいこうよ!」
美羽は上機嫌で爽に提案する。
なぜなら、今度の日曜は自分の誕生日だからだ。
断るわけがないと確信していた。
だが。
「すいませんが、日曜日は予定がありまして……」
返ってきたのはNOの返事。
美羽は持っていたティーカップを落としそうになった。
「……なんで?」
「外せない用事でして。申し訳ありません」
「だって、知ってるでしょ?」
あたしの、誕生日だって。
完璧である爽のことだ。
忘れているわけがない。
「………すいません、必ず埋め合わせ致しますので」
その瞬間、美羽はティーカップを床へ投げつけた。