夏休みが終わり、学校が始まる。
執事科、2年S組。
そこは朝にもかかわらず賑わっていた。
あの早坂爽が、パートナー以外の女性と親しげに(?)話していたのだから、当たり前だろうが。
「爽ー、ねぇー遊んでよー」
「………静かにしてくれませんか、藤原様」
「そんな他人行儀な呼び方、いやー。前みたいに美羽でいいよ」
「ご主人様以外は名前で呼んではいけない決まりですから」
「なあ…あの人誰だ…?」
「あれだろ。早坂が1年の時仕えてた」
「あぁ、早坂のイトコだっけか?戻ってきたのか」
「今のパートナーと顔似てね?」
「案外それがねらいだったんじゃん?」
「前のの代わりにって思って、選んだんだろ」
そんなクラスメイトのささやきを爽が聞き逃すはずがないが、彼は黙ったままだ。