しゅるしゅる、と爽サマがネクタイをほどいた。



とたんに、周りがざわめく。

さっきのとは違う、困惑した表情。



私もネクタイをほどこうとするが、緊張でうまくいかない。

まごついていると、手が伸びてきた。


「貸してください」


手が重なる。

反射的に手を引っこめると、爽サマはまたニコリと笑った。

私のネクタイを慣れた手つきでほどいていく。




近くにあるキレイな顔に、



心臓がうるさかった。