太陽が元気になる時期、夏。
私のキライな季節が今年も近づいてきた。
「お嬢様、起きてください」
目を開くと、光がモロに当たった。
まぶしい。
むり。
もう一度、布団をかぶる。
爽のため息が聴こえた。
「……お嬢様、時間がありません」
「……………」
「……遅刻いたしますよ」
「……………」
「……では、私が着替えさせてあげ…」
「おはようございます」
顔を出すと、笑顔の爽と目があった。
そんなことで、顔が熱くなって。
結局またかぶる。
「お嬢様……」
「で、出てったら、起きる、からッ!!」
少しの沈黙のあと、「では、失礼致しました」という声と共に、足音が去っていった。
ベッドから出た私は、誰もいなくなった広い部屋を見て、肩を落とす。
「……また、やっちゃった」
最近、上手く爽と接することができない。