――数分後。


泣き止んだ城山愛が体を離した。

無意識に視線が首元にいく。

昨日、俺がつけたやつのすぐ隣、真新しい痕。

指でそこをなぞる。



「…やられたの、ココだけ?」



こくり、と頷く城山愛。

また瞳が潤む。

そんな姿を見ていたら、なんだか今更すぎる怒りがこみ上げてきた。




……やっぱ殺っときゃよかった。




城山愛の制止も無視して、首に吸いつく。

頭には苛立ちと、怒り。

もう少し早く来れなかった自分に対して、だ。


「…っん、」


城山愛の甘い声に、笑ってしまう。

受け入れてくれてることが嬉しい。



唇を重ねた。



「もっと俺のこと頼ってよ」

口から出た本心。

目を閉じると、城山愛しか考えられなくなった。







……あ。



そういえば、俺だって、城山愛のこと名前で呼んでねえ。







「……愛」







ぎこちなく、囁く。

それだけで、顔が熱くなる。






――俺のなかに、何かが芽生え始めていた。