☆★☆★☆★☆

‐恋菜‐








椋介の言葉が頭に響く。



『お前だって女の子なんだから』



……ズルイよ


不意打ちだよ…







いきなり、


『女の子』

なんて呼ぶんだもん…









私のココロの鼓動は早くなるばかりだった。












~~♪~♪~~



あ、椋介だ…








『もしもし?』

「椋介…」

『さっきは急に出て行ってゴメンな』


「あ、ぅん…」





また、鼓動が早まる。




『もぅ撮影に行くから』


「…そっか。いってらっしゃい。頑張ってね」



知絵ちゃんのトコロに行くんだ……



素直に喜べなかった。






『おぅ。またなんかあったら言えよ!』


「ぅん…。ありがとぉ…」



『じゃなッ』




………プッ…





私はケータイを置くと、窓の外を見た。







椋介が走って行くのが見えた。











「椋…介………」


椋介の背中が愛しくて、


涙を流した。












『好き』






ただ、



この2文字が言えなくて……