―――



あれ?



今度は…

白い天井……?





現実?夢?








私の頬には、涙の跡があった。






「現実だ……」



私は…一体………






どうしちゃったの?






―――ガラァッ!



ドアが開く。




『恋菜!』


「お母さん…」






『大丈夫?もぅ、リビングで倒れてるから、ビックリしたわよぉ!』


「あ…」








そっか……



私…倒れて………




「ココ…病院…??」



『そうよ。大した事ないのに、救急車呼んじゃって…大恥かいちゃった』


「もうッ!あわてんぼなんだからぁ!!」


私とお母さんは笑いあった。








……ずっと、こうしてたい…




辛いコトなんか…


椋介のコトなんか忘れて…







「――――ッ」



私の瞳から、涙が零れた。




忘れられるはず…ないでしょ?




こんなにも……




好きなんだから……







お母さんは、ただ、



私が泣きやむのを待ってくれていた。