「……グスッ…」


涙は拭っても拭っても溢れてきて、自分の感情をコントロールできなくなっていた。



「………そんな泣くなよ…。」



―――――!!??



私は凄い勢いで振り向いた。



「あのさぁ…。なんで泣くの?」


椋介がしゃがみ込んでいる私に目線を合わせた。


「………俺のコト好きなワケ??」



「―――――ッ?!」


多分、今私の顔は真っ赤だろう。






「……図星?」


「……………ほっといてよぉッ…」


私は椋介を軽く見上げた。






―――――ギュムッ




私の体は椋介の温かい腕の中に納められていた。


「……??!」


「………そんなカワイイ顔すんなよ…」


―――!!?



椋介、顔真っ赤!!!





「えっと……カワ…イイ顔って??」


私がそう尋ねると、椋介は我に返ったような顔をして、慌てて私から離れた。



「……ゴッ…ゴメン!」
「あ、うん……」



少し気まずいムード…




「お二人さん、やっぱりつきあってたんじゃんッ!」



「「!!?」」


いきなりの悠琉くんの登場に、私と椋介は動揺を隠せなかった。


「…なッ…おまッ……どこから見てッ……」


「最初カラ☆」



悠琉君はいたずらっぽい笑みを浮かべた。






「じゃ、後は若いお二人さんで~☆」



そう言い残すと、スタスタと行ってしまった。








「ライバルがいるほど燃えるんだよね。俺。」


最後に零した言葉は、誰にも聞こえていなかった。