「ようやく見つけたぞ、汚らわしい異国人め!

貴様の父親の所業、知らぬとは言わせんからな!!」

「さあ、来い!!
牢に叩き込んでやるわ!!」


大きな体躯の二人の役人は、布団に横たわる梳菜に近付き、無理矢理抱き起した。

相手が病人だろうと関係ない。
そう言うように。


そして、無理に動かした拍子に、


「……う、うぐ!」


また口の中に溢れてくるものを感じ、梳菜は咄嗟に片手で口を押さえた。


松ぼっくりを握るほうの手は、腹に添えて。