胸も頭も、体中が火を噴くほど痛み、熱のためか意識も朦朧としているのに、たった今聞かされた事実が何度も反芻して止まらない。

自分は死ぬべきなのだろうか?
例え天がそう定めたのだとしても……


「……わたし…っ、死にとう、ありません……!」


死にたくない。
死ねるわけがない。

何故なら梳菜の脳裏には、はっきりと浮かんでしまったのだから。


こんな自分を“友”と言ってくれた、優しい、萬天の姿が。



「……死ぬのは……いや……っ!」


梳菜の切実な願いを叶えてくれる者は、誰一人としていないのに。