しばしの、沈黙が訪れた。


正確には、絶句。

目の前が本当に黒一色に染まったような、絶望感。


「……わたし………、」


梳菜が出した細い声は、ほとんど無意識なものだった。



「……死ぬん、どすか……?」



手に掴んでいた頭巾と、

握り締めていた松ぼっくりに、力がこもる。


……薬師が首を縦に振るのが、とてもゆっくりに見えた。