「林火!!分かるなら教えてくれ!!
拙は一体どうしたらいい!?
拙にはもう自分が分からない!
拙は、一族を棄てたのだ!!そうだろう!?
なのに、何故まだ拙は、奴等に命を狙われねばならない!?
この傷を見ろ、林火!!!」
錯乱したように捲くし立てた萬天は、自身の体に巻きついていた羽織を引き剥がし、その下にある傷痕を全て林火に見せた。
生々しい傷。
威嚇でも戯れでもなく、本気の殺意がうかがえる傷。
自身で光を放っている林火には、その傷全てが刀によるものではなく……、
鋭い、鉤爪の痕であることが見て取れた。