「? 違うのか?
利益があるから、梳菜は宿の者の手伝いをしているのだろう?」
「…………。」
確かに、間違ってはいない。
身寄りのない梳菜が唯一生きていくためには、この宿屋に住み込み、その見返りとして宿屋の手伝いをしなければならない。
手伝いをすれば住む場所が確保されるというのは、一般で言うなら「利益」に入るのだろう。
だが、梳菜は一度も自分の行為を「利益のため」と思ったことは、
「そうではありませんえ。」
「……?」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…