「醜くなどない…。
お主はこれほどに美しく、これほどに小さいではないか……。
お主がこれまで、どれだけの苦しみや蔑みを受けてきたのか、拙には分からぬ…。
だが……。」
梳菜は嗚咽を漏らすだけで、他には何も言わない。
「拙は梳菜を醜いとは思わぬ。
梳菜はただ純粋に美しい…。
…今まで辛かったな…。
見目や話し方を嫌悪されるのは大層苦しかったな……。
梳菜が浴びせられてきた言葉を冷たい眼差しを、拙は持ってはいない。
拙はお主を苦しめることなど出来ないのだ…。
だから拙は、お主を嫌いにはなれんのだ……。」