顔を覗くと、 「梳菜………。」 「………わたしは…っ、 貴方様にだけは…見られとう…ありまへんでしたのに……。」 碧眼に透明な涙を浮かべて、梳菜は泣いていた。 それが、何故かとても美しく見え、萬天は二の句を告げるより先に、梳菜の体を自分の腕の中に閉じ込めた。