「梳菜……?」


打たれた手を浮かせたまま、萬天は目の前の少女の名を呟く。


すると梳菜はハッとして、


「あ、も…っ、申し訳ありまへん…!わ、わたしっ…、なんて無礼なことを…っ!」


その場で深々と頭を下げた。



まるで状況が掴めない萬天は、全てもの原因が梳菜の髪にあるのではと考え、


「…………。

…梳菜…、御免。」


「あっ……!!!」



頭巾を剥ぎ取った。