「っ、梳菜!」


萬天は弾かれるように梳菜に駆け寄り、その小さな肩を掴んだ。



そのことに驚いて、梳菜もまた萬天を見上げた。

そして、そこにいるのが数日前会おうと約束をした男だと分かると…


「…ッ、み、見ないで…!」


逃げるように、梳菜は顔を背けた。

だが萬天は怯まない。


「何をしているか梳菜!
このような場所で、身体を壊したら…!」


が、言葉を遮って梳菜は叫ぶ。


「貴方様に…!見られとう、ありません…!!」

「……!」