「……萬天殿は、天使様、だったのですか…?」 「……え?」 それは萬天が予想だにしなかった答え。 思わず顔を上げてしまった萬天が見たのは、感動に似た眼差しで自分を見上げてくる梳菜の姿。 「おっかさんが、言っておりゃんした。 海の向こうのお国には、背に翼が生えた天使様がおって、幸せを運んでくれるって…。 萬天殿は、まさに、天使様そのものです…!」 「て、てんし…?」