梳菜は、当然ながら言葉を失った。


林火のときよりも目を大きく見開き、口も微かに開いている。


それでも、目だけは翼ではなく…


萬天を、見ていた。



「……これまで、黙っていてすまなかった。

だが、拙は臆病だから、お主に恐がられるのが、ひどく怖ろしかったのだ。」


恐がらせまいと弁明をしても、梳菜の反応はない。



萬天が、やや下を向きかけたときだった。