しかしながら、


「お、おいお前達!!
あいつらを早く捕まえるのだ!!」



「……お、小窪殿?
あの、誰のことです?
“あいつら”とは…?」

「…分かるか?」
「さあなぁ…?」


役人達は、一人として梳菜と萬天のことを知らなかった。

そして、


「何を言っておるか貴様らは!
あいつらと言ったらあの…、ほれ、あの……。

……ん?誰だったか?

まず、ここは誰の処刑場だったかな……?」


林火による忘却の妖術は、小窪自身にもてきめんだったようだ。