「結界を破り、紅蓮山を全て天狗の物にしようという考えは、先代から死ぬほど聞かされてきたわ!!

…だから、先代の意思を継いだ貴様らに乱用されまいと、

拙は貴様らを…


……家族をも、仲間をも棄てたのだ……。」


全ては、萬天がいてこそ成り立つ。

それならば、自分が関わりさえしなければいい。


狡賢い小物の天狗を棄てるのは容易かったが…、

親しい家族達までも見放すのは、最後の最後まで心苦しかった。


……だからこそ、身寄りのない梳菜に、あそこまで思い入れがあったのかもしれない。