どちらにしてもあたしにとっちゃ
過酷な試練なワケで・・・



捨てたらきっと後からバレて
親父とのやり合いになるんだろうし・・・




頭の中で“どうする?どうする?”
と念仏みたいに唱えてたけど
それを遮る男の声がした。

「おい。」

低い声でそう言われたが、考え中に
話しかけられてかなりムカついたので
「あ゛!?」とキレた声で返事をした。



でもそれが間違いだった。


「女がこんなとこで何してやがる」


さっきより低い声で男は言った。


ぜってぇーキレてんだろこれ!!?


でもここで身を引くあたしではない。



「おめぇこそなんだよ!?」



男の身長はたぶん180ぐらいであろう高さなので
平均身長のあたしは見上げながら言ってやった。