千鶴だけが延々と話し、俺と美波はそれに答えるようにして俺たちは校門をくぐった。



「ですから、今の日本の教育はですね…」



「千鶴、それは朝から話す話題じゃないと思うぞ」



「なっ…何を言うんですか先輩!

その中心にいる私たちが考えないで誰が考えるんですか!?」



「いや、てか…」



「わ、私は先輩を見損ないました………

先輩は分かってくれると思っていたのに………


先輩も悩める現代の若者の一人に過ぎないのですね…」




どうやら見損なわれたらしい。



いや、でもよ。



どう考えたって千鶴がおかしいだろ。



朝っぱらからそんな会話する学生のほうが希少種だと思うぞ。




「みぃちゃんは分かってくれるよね!?」



「………え?

えっと……うん、まあ」




嘘をつくな。



明らかに聞いてなかったろ、お前。