そんなこんなで学校が見えた頃、お決まりの人物が現れた。




「先輩、おはようございます!」




朝から元気な後輩、佐山千鶴。



いいなあ、お前は。



悩みがないのが悩み、みたいな感じだもんな。



俺もお前みたいな生き方をしてみたいよ。




「うーす」



「おはよ、千鶴」




俺と美波はそれぞれあいさつを返した。



その対応に、千鶴は目を丸くした。




「あれ?

みぃちゃんと先輩が一緒に登校してる…」



「「………あ」」




見事にハモった。



千鶴に言われるまで意識していなかったが、俺と美波が並んで登校。



美波が入学してから3ヶ月。



こんなことは初めてのことだった。