一つ深呼吸をして、頭を落ち着かせる。



ここに、千鶴がいる。



一週間、言葉で言うと短かったがずいぶん会っていない気がした。




俺は、ゆっくりとインターホンを押した。



しばらくすると、誰かの足音が聞こえてきた。




「はーい、どなたですかー?」



そう言ってドアを開けたのは、ものすごく綺麗な女性だった。


ずいぶんと高い声。


千鶴の姉だろうか?


いや、この前の葬式には千鶴と両親しかいなかったはずだが。



「あなたは…高橋くん?」



「え?

………あ、はい」



あれ?


俺、会ったことある?



「この前は翼の葬式に来てくれてありがとうね」



「は、はあ…

あの…あなたみたいな綺麗な人とは初めて会ったと思うんですが…

…失礼ですけど…千鶴のお姉さんですか?」




すると、目の前の女性は目を点にして驚いていた。