「純一………もちろん、わかっているわよね?」



「あん?
なにがだ?」



夏休みも終わり、9月。


そんなある日、美波は俺の部屋にやってきて、行儀悪く俺のベッドに立ちながら言った。



俺は床に座っているので美波を見上げることになる。



てか、いつにも増してえらそうだな、こいつ…



「再来週の土曜日は何の日?」



「さあ?」



「小指からいきましょうか…」



「待て。

何故急に俺の右手の小指を握りやがる…」



「折るのよ」



「さも当然のように言うな!!

何だ!?
俺の小指はそれくらいの価値しかないのか!?」



いつもどおりのやりとり。


いや、これがいつもどおりって…



俺たちはかなり歪んだ兄妹なんじゃないだろうか?