「彼女帰っちゃったんですか?」


苦し紛れに出た私の言葉に

「彼女?あぁ...さっき見てたんだろ?見た通りだよ」



「お、追い掛けなくて良かったんですか?」


「追い掛ける??」


彼は天を仰ぎ、笑いだし
私を見て呟いた



「関係ねぇだろ」



その目は冷たく

その視線はすでに
私の目をすりぬけて、
真夜中の闇を見ていた。