その場の雰囲気に
なんだか馴染めずに

気付かれない様に席を立ち
店を出た


冬の夜は
ピンと張りつめていて
深呼吸すると胸の中が
うんと冷たい空気でいっぱいになった


告白する前に
失恋って事かぁ


思わず真っ黒な空を
見上げたままつぶやいた



「失恋したの?」

声がした方を振り返ると



彼だった