翌朝、いつも通り学校へ登校した。
いつも僕より先にいるはずの逢坂が、なぜか今日はいなかった。


昨日のメールのこともあり、余計心配になってきた。


結局授業が始まっても来なかった。
僕は4時間目の授業を抜けて、いつもの屋上へ一人で行った。
すると、今日は学校へ来てないはずの逢坂がなぜかいた。
彼女は仰向けに寝転がり、空を眺めている。魂の抜けたような顔をして‥。


「おはよう、逢坂!今日学校来てないかと思った。なんで教室来なかったんだよ。心配したじゃん。」
彼女がいつもと違う雰囲気なのには気付いたけれど、どう話し掛けていいのかわからず普段通りに話し掛けてみた。


「‥おはよう。なんか調子悪くてさ。へへ。」


「なんだよ。調子悪いなら普通学校自体に来ないだろ。」と言って僕は彼女の顔を上から覗き込んだ。
あれ‥泣いてる?その顔のアザ何?なんだよさっきの「へへ。」って‥。
僕の頭は真っ白になった。


「逢坂‥何があった?」


それしか言葉が思い浮かばなかった。
そして、まず何があったのか聞き出したかった。


「別に何もないよ。」


「じゃあ、その顔のアザ何?」


「ぶつけただけ。」


「それなら、なんで泣いてんの?」
明らかにおかしかった。
だって、顔だけじゃなくて腕にもアザがある。おまけに手首にリストカットしたかのような傷。
それにぶつけただけなら、今泣く必要はないはず。


きっと家庭の事情。でも、ほっといたらいけないような気がした。
逢坂がこんなにボロボロになるようなこと、あってはならない。


なんで僕は気付くのがこんなにも遅いのか。
友達のいない地味な僕と仲良くなってくれた逢坂。
守ってあげるべき存在じゃないか。