逢坂 沙都里は、なぜか友達を作ろうとしなかった。
僕の場合は友達を作ろうとしても、出来ないのだろうが、彼女は見た目も性格も良いし友達がいてもおかしくなかったはずなのに。


そして彼女は、時々授業を抜け出す奴だった。
抜け出したい気持ちは、僕にもわかる気がした。
くそつまらない授業も受けるだけ無駄なのだ。


僕らは気が合うようで、すぐに仲良くなった。
お互い、高校で初めての話し相手であった。


それからよく授業を抜けて、屋上で昼寝したりなんかした。
自分たちの趣味を語ったりもした。
彼女と話すことが、学校での唯一の楽しみとなった。