「相澤。体調は平気なのか?」
授業中。
重い足取りで教室に入った私を見て、英語の先生が声をかけてくる。
「はい…」
「顔色がだいぶ悪いな。今日は特別に、しんどかったら寝てていいぞ」
「ありがとうございます」
いつもより穏やかな口調の先生にホッとしながらも、静かに椅子をひいて席に着いた。
すかさず、夏生が振り返って話しかけてくる。
どうせなら授業終わるまで寝てれば良かったのに、と小声で囁く夏生に、私は曖昧に笑うことしか出来なかった。
「ハァァー……」
がっくりと項垂れる。
───私。
とんでもないこと言っちゃったかもしれない。
先程の保健室でのやり取りが脳裏に蘇り、再び自己嫌悪に陥った。