「うおー、うまそう!」






鉄板には、お好み焼きの香ばしい香り。


──ゴクリ。

ヨダレが出そうになるほど美味しそうだ。


「裏返すのは俺に任せてね。俺、鉄板少年って呼ばれてたから!」


そう言って得意気にブイサインを決めるオレンジ先輩は、去年お好み焼き屋さんでアルバイトをしていたらしい。

雰囲気がやけにマッチしていて、夏生と二人顔を見合わせて笑った。


オレンジ先輩は本当に面白い人。

明るくて居るだけで場が和むし、なにより気遣い上手だし。


少しだけ夏生が羨ましく思えた。

私ももしつきあうなら、オレンジ先輩みたいな人がいいなぁ、なんて。