「菜々美…コレ…」



俺は抱きしめていた腕を緩めると持っていた紙袋を差し出した。



がっ、



「キャ!!」



「うお…っと…」



あっぶねぇ…



突然、その場に崩れ落ちた菜々美の体を支えた瞬間、



バサッ…ゴトっ!!



あっ…



同時に嫌ぁな音が廊下に響いた。



でも、



「大丈夫?」



今はそんなの関係ねぇ。



「うっ…ん。」



俺は目をぱちくりさせながら頷く菜々美を見つめながら、ひとつ息を吐いた。



ふぅ…



菜々美、ケガしなくて良かった。



でもなんか心配だし…



「座る?」



「ん。」



俺はうるうる瞳の菜々美と向かい合うようにその場にあぐらをかくと、



「マジ大丈夫?」



「うん。もう大丈夫。」



ニコっと微笑む菜々美を見つめながらフッと笑みを零した。



あぁ、マジ焦った。



まさか菜々美が腰抜かすなんて…



今度から、立ったまんま耳攻めんのはやめとこ。



っていうか、



俺は先ほど変な音を立てた紙袋たちをチラっと見た。