「ねー、ゆき。

ゆきはさぁ、

好きな人いないの?」


「えっ?

えっ…

あ、あ、うん

まだ…いないかなぁ?」


なんか急に
心を見透かされた
ような気がして、

慌てて安っぽい
紙ジュースのストローを
口に含んだ。

「そっかぁ…」

「うん。
まだ5月だよ(笑)?
大学入って1ヶ月だしさ。」

「そうなんだけどさ、
そろそろ好きな人くらい
いてもよくない?」

「私とまみは違うもん。
そんなすぐに好きには
なれないよっ。」

「でもさぁ…

気になる人くらいは
いるよねぇ??」


まみがお得意の上目遣いで
ニヤニヤしながら聞いてくる。

「…っ!
いないよ、いないよ。
そんないい人いないじゃん(笑)?」

「私さぁ、
祐一さんとかいいと思うけどなぁ。」


「そ、そう?
なんか冷たそうじゃん。」

「そうかなぁ?
ま、まみは興味ないけど(笑)」

「はいはい。
あんたはね。」