長くてすらっとした指。
関節がある程度、主張している。
その指に掴まれてる
二本のお箸がうらやましい。

手がきれいな人に
惹かれてしまう。

この性質は、
この人にも発揮しちゃうのだろーか。


「完璧だけどなぁ…」

つい言ってしまった。
私の口、ばかだ。

「あん?なにが?」

その言葉にはっとする。

「いっ、いや、
なんでもないですっ!!
このラーメン!!!
完璧ですって話ですよ。
このとんこつ、最高です!
さすが祐一さ…」

「お前が食ってんの
味噌ラーメンじゃねーの?」

「・・・」

「変なやつ〜。」

祐一さんは、
私の顔を見ることもなく
ラーメンを啜りながら
冷ややかなセリフを吐いた。


どんなに指がきれいでも
こいつはない。

そう思った夕暮れ時。