「プハッ」

風呂上がりに一杯、牛乳を真っ裸でラッパ飲み。
これは俺の夜の日課。
あの後、俺は魁李の考えを聞いて即座に帰ってきた。

「お前、服きろ」
「あ、兄貴お帰り」

俺の兄貴の神奈澤 香月(かなざわ かづき)が帰ってきた。
兄貴は高2で俺は兄貴と二人暮らしをしている。
親は離婚して、母子家庭だが父親は故郷へ帰り、母親は海外で働いている。
毎年休みになると帰ってくるが、それまではずっと二人暮らし。

「侑月、着替えてこい」
「はいはい」

俺は自分の部屋に入り、スウェットに着替えた。
するとベッドから降りた瞬間にポケットに入ってた携帯が鳴りだした。

~♪~♪

ディスプレイには大町 奏人の文字。
一気に全ての汗が流れ出た。
‥なんで??なんでカナっ‥じゃなくて大町からメール??
震える手を抑えながら少しずつメールを開いていく。
最後の決定ボタンを押した時、俺は硬直した。

[俺とやり直して?]

すぐに携帯の電源を切った。
血液が抜かれるように冷たくなる体。
あまりにも降りてくるのが遅かった俺を兄貴が呼びに来た。

「侑月~。何してんだ~」

声と共に部屋に響くノックの音。
足が震えすぎて立つ事が出来ない。
心臓は口から出そうなくらい、音をたてて振動している。

「あ‥にき」

声がめちゃめちゃ震える。

「侑月?どーした?開けるぞ?」

恐る恐る開けるように扉が開く。