睦月と中川の仲を邪魔しちゃいけないと退散するのは毎回だ。
一人で川の辺を歩いていると後ろから思い切り何かが当たって来た。

「侑ー月!!」
「いってえ‥」

後ろから体当たりして来たのは俺の幼なじみの知佳 魁李(ちか かいり)だ。
チビの癖に力はあるから背中が痛い。
中学校は違うのに家が近所だから通学路が一緒。
だから帰りはよく会う。

「ごめんごめん。何、今日も告られたの?」
「なんで?」
「不機嫌な顔してるからっ」

魁李は男の癖に俺の事をよく理解してくれる。
小さい頃から一緒にいたからか、今でもよく相手の家に泊まったりしている。

「‥話、聞いてあげよっか?」

魁李が言い出した。
俺は少し考えてから首を縦に振った。