「ちょっと侑月!!話きーてる!?」
「また来た。」

携帯を睦月の前に出す。
睦月は顔をしかめた。

「C組の斎藤くんが、侑月のアドレスしりたいんだって。教えていーい??だってさ
。斎藤っつったらかなりのモテ男だよ。」

興味なしに携帯を閉じると、睦月が俺の顔を覗き込んできた。

「またふるよね‥??」
「付き合う気ない」

そっかそっかと髪の毛を整える睦月。
夕方の綺麗な夕日の色が睦月のロングの髪に反射する。

「あんたさ??毎月2、3回も告られてなんか思わないの??」
「別に?」

睦月がハァとため息をついた。
俺は2年になってからというもの、毎月タメや先輩。
今では後輩にも、月に2、3回は告られるようになった。
けど、好きになるはずもなく毎回相手を悲しくさせるばかりだった。
自分で言うのも何だが、さっき俺のアドレスを聞いた斎藤くんもきっと告白して
くるだろう。