大町に誰もいない旧校舎に連れられた。
なるべく、大町がすぐには俺に触れられない距離を取るようにした。
階段の途中で彼は突然止まった。

「昨日のメール見た?」
「ああ。」
「答えは?」

俺は答えられなかった。
まだ恐怖感がある。
彼が死んでしまうかもしれない恐怖感が。

「‥答えは?」

返答が遅い俺に彼がもう一度聞く。
俺は俯いた。
彼の顔にもう笑顔はなく、ただただ強張るだけだった。

「‥ごめん」

俺は小さい声で言った。
するとなぜか彼は笑顔になった。

「そっかぁ。そうだよねぇ。今さら」

俺は少し安心した。
彼は前と同じではない。
そう思ったから。

「じゃあ、俺戻るね」

そう言って階段を降りた。
その時だったー。