ドキドキが収まりきれないままソファーに座ったけど…、

隣に健吾がいて 余計に落ち着かなくなってる。

飲み物を取りに行くって
立ち上がっただけで、ビクリと反応してしまう。



キッチンから出て来るまでに 心を落ち着かせようとしたけど…、できなかった。

目の前にアイスコーヒーの入ったグラスが置かれて、また私の隣に座り込んだ。


落ち着きを隠せない私は、棚の上に視線を向けた。

「…カメラ…」

とても古いカメラ。

立ち上がった健吾はカメラの方へ行った。

「これ…、俺がプロになるまで使ってたカメラなんだ。」

目を細ませ、優しくカメラに触れる。

そして、静かに語り出した。