「…お邪魔します…」

少しくらいなら…という軽い気持ちで 中へ入った。

“うわ〜っ、すごい…!”

広いリビング、開放感がある大きな窓…

雑誌に載ってる部屋そのものだ。

シンプルにまとまってある家具。白を基調として統一されていた。

言葉にならないほど素敵で…、

私の理想そのものの部屋だった。

健吾に言われ、バルコニーに出てみた。


「うそっ……」

最上階からの眺めは 東京の景色がとても気持ちよかった。

東京タワーもハッキリ見える。

こんな所に住めるなんて…

すごい人なんだと思い知らされた。


「前まで ここに住んでたんだ…」

いつの間にか健吾もバルコニーにやって来た。

「俺にはこんな広いだけの部屋は必要ない。けど…、この景色だけは気に入ってるんだ…」

東京一面の景色を 目を細めて見ている。

その姿を私は まともに見られなくて…

ドキドキが止まらなかった。