さりげなく 健吾の顔を見た。

どこか悲しげな、

何かに苦しむように見えて、

私もそんな健吾を見て 心が痛くなった。


「人違いじゃないかな?」

一言そう言い、私達は店を出た。



しばらく無言のまま ただ歩くだけだった。


せっかく 今日を楽しもうと思ったのに…

先に歩いてる健吾との距離が遠い。

思い切って健吾を呼ぶ。

私の呼び掛けに健吾はすぐ振り向いてくれた。


「ん…?どうした、ミキ?」

「あの、コレ本当に良いんですか?」

ワンピースに目線を落とした。

「本当に似合ってるから、プレゼントだよ。ミキらしくないなぁ〜、素直に受け取れよ」

と、私の頭を 撫でてきた。

子供扱いされた。

「ありがとうございます。」

「うん…、行こうか」

と優しい返事が返ってくる。

歩き出そうとした時、


「…った…」

ミュールでずっと歩いてたから 足が痛みだしたんだ…