「あらミキ、そんなに急いでどうしたの?」

食器を洗っていたお母さんが 呑気に言ってきた。

「ちょっとこれから出掛けるの。」

「ふーん、デート?」

「ち、ちょっと、何でそうなるの!」

飲みかけてた牛乳を吹き出してしまった。

「ちがうの?」

「ちがう!!」

うちの両親って、二人共 超天然でマイペース。

その子供の私はぜんぜん似てなくて…。時々呆れてしまう。

「でも、あまり彼を待たせちゃ悪いわよ。」

また呑気に母が言う。

「???」

その言葉を理解していない私。少し首を傾げた。

「だって、15分位前から家の前に車と男性が待ってるわよ。」

「えぇっ!?」

慌ててリビングに行き、窓から外を見る。

家の前で、黒のスポーツカーと車に寄り掛かってる健吾がいた。



「行ってきます!」

慌ててミュールを履き家を出る。

「今度、パパとママに紹介してね〜♪」

台所から母が見送ってた。

朝から、どっと疲れるよ…。
はぁ〜とため息が出た。