「あ、いいよ。ミキが持ってて。」

「でも…。」

「しばらくは俺がミキの送り迎えをする。夏の間はバイクが多いからさ、だから持ってて。」

“俺がミキの送り迎えをする”か―――。

そんな言葉でもドキドキしてしまう。

「い、いつから撮ります?写真…」

声が浮ついてしまい、思わず持ってるヘルメットに視線を向けた。

「ん?明日から毎日だけど。」

「え?明日?毎日〜!?」

「少しでも早く始めたいし、俺が納得するまでミキは毎日モデルだよ。」

「えーっ、聞いてない!」

「うん、言ってない。」

こんな時になんて無邪気な顔をして言うの?

返す言葉がなかった。

「大丈夫、なるべく夏休み中に終わらせるつもりだし。」

「そうじゃなくて…」

再びヘルメットに視線を落とした。

そんな私の態度を見て“あっ”と健吾は気付く。

「ごめん、高校生なら彼氏とデートもあるよな…。」

彼は、私から視線をそらし言ってきた。